医科学専攻のスタッフ

7. 疾患生命工学センター

疾患生命工学センターは医学系研究科附属のセンターであり、医学・生命科学研究を推進している医学系研究科とナノテクノロジーや情報工学(IT)を展開している工学系研究科がそれぞれの英知を結集することにより新たな統合的医学研究の創造と展開を図ること目的に平成15年に創設された。近年の医学とその周辺分野をめぐる科学・技術の進展はめざましく、かつ急激な変貌をとげ、従来の研究の在り方をも大きく変貌させている。個々の医学・生命科学研究分野においても新しい展開がみられており、従来の概念を大きく塗り替えるような研究が進展し、次世代の医療医学研究に大きな影響を与えている。そして、各臓器疾患、免疫疾患、がん、感染症、代謝疾患、脳変性疾患などの疾患についての基礎・臨床研究が進展しており、その克服には国際的に大きな期待と関心が寄せられている。さらに、生活習慣病や老化の予防に繋がる研究の創出が、高齢化社会を迎え緊急に要請されている。また、ナノテクノロジー、情報工学(IT)に代表される工学系の研究分野を医学に組み込んだ研究を展開している.次世代医療材料を開発、疾患の原因分子を標的とする新しい物質を化学合成して治療に応用することなどが上げられる。これら医学と工学の連携による新たな統合的医学研究を創造し新たな展開をもたらすことが極めて重要である。また、1300床を有する東大病院と、同じキャンパスの中に高いレベルの研究を続けている医学系基礎講座、臨床講座、社会医学講座と工学系研究科がこのセンターを中心に大規模な共同研究体制を作り上げているところに最大の特徴がある。センターには、研究部門として、分子病態医科学部門、構造生理学部門、再生医療工学部門、臨床医工学部門、健康環境医工学部門、動物資源学部門、放射線分子医学部門の7部門があり、研究基盤部門として、動物資源研究領域、放射線研究領域、医工情報研究領域の3領域がある。各研究部門は協力講座として、それぞれの研究分野に近い上記1-6のいずれかの専攻に属し、大学院生の教育・研究指導を行っている。これらの部門では、個々の分野の独自の研究を進めると同時に、センター内外の共同研究を通して、最終的には病気の新しい予防・診断・治療原理の開発につながる研究を目指している。詳細は、各部門のウェッブサイトを参照していただきたい。

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センター長:尾藤晴彦(神経生化学教室・教授)
研究部門 構造生理学部門  
医療材料・機器工学部門 医療機器・手術支援ロボット・手術手技評価
臨床医工学部門 骨軟骨生物学・再生医学、バイオマテリアル工学
骨軟骨発生学・再生医学
健康環境医工学部門 脂質による生体内環境整備機構の解明
環境汚染化学物質による生殖毒性・発癌メカニズム
動物資源学部門 神経回路形成の分子遺伝学、マウス発生工学、変異マーモセット作製による精神疾患モデル動物の樹立
放射線分子医学部門 DNA修復を標的とした癌治療の研究
医工情報学部門 医用人工知能、医療データ解析、次世代電子カルテ、医療情報の標準化
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