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広報・プレスリリース最新情報(2022年(令和4年))

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コロナ禍による臨時休校中の小中学生の睡眠と食事の時刻パターンの分析:
起床と朝食の時刻が遅かった小中学生は、より不健康な生活習慣を持っていた傾向が明らかに

学校は、学齢期の子どもたちの生活に大きく関わっています。COVID-19の流行によって、長期に臨時休校が実施された期間中、学齢期の子どもたちは、学校に通っていた時とは異なり、不規則な生活習慣を持っていた可能性があります。そこで、東京大学未来ビジョン研究センターの杉本南特任研究員(研究当時)、東京大学大学院医学系研究科の村上健太郎助教、佐々木敏教授は、臨時休校から学校が再開された直後(2020年6月)に、小中学生6220人に対して、横断調査を実施しました。調査では、臨時休校中の睡眠や食事、運動などの生活習慣が尋ねられました。

調査で得られた臨時休校中の起床・就寝・食事の時刻を分析したところ、特に、起床と朝食の時刻が異なる4つのパターンが見出されました。中でも、起床と朝食の時刻が遅いパターンの子どもたちは、起床と朝食の時刻が早い(つまり、平時と同様の時刻と思われる)パターンの子どもたちに比べて、運動量が少ない、ゲームやテレビ、パソコンなどの画面を見ている時間が長い、朝食や昼食の欠食が多い、菓子類や清涼飲料類の摂取量が多い、といった不健康な生活習慣を持つリスクが高いことが示されました。

将来、感染症や災害等が原因で長期に学校が休校になった際にも、平時と同様の時刻に睡眠と食事を取る習慣を保つことが重要である可能性が示唆されました。

※詳細はPDFこちら[PDF]をご覧下さい。

(2022/5/18)

SGLT2阻害薬の循環器疾患への作用が“クラスエフェクト”であることを示唆
~ 国内疫学ビッグデータからの知見 ~

SGLT2阻害薬は、腎臓にある近位尿細管での糖の再吸収を阻害することで血糖値を下げる糖尿病治療薬として開発されました。そして、近年の大規模臨床試験において、SGLT2阻害薬は、糖尿病の有無に関わらず、心不全や慢性腎臓病に対して保護的に作用することが示されたことから、糖尿病のみならず心不全などの循環器疾患や慢性腎臓病などの多くの生活習慣病治療に用いられるようになっています。その一方で、現在、国内では6種類のSGLT2阻害薬が保険適用されていますが、SGLT2阻害薬の効果に薬剤間で差があるのか、あるいはその効果はSGLT2阻害薬として共通(クラスエフェクト)なのかについては臨床におけるエビデンスが乏しい状況でした。

この度、東京大学の小室一成教授、金子英弘特任講師、康永秀生教授、岡田啓特任助教、鈴木裕太研究員、佐賀大学の野出孝一教授らの研究グループは、国内の大規模なレセプトデータベースを用いて、約25,000症例の新規にSGLT2阻害薬が処方された糖尿病症例を解析し、SGLT2阻害薬の6種類の薬剤間で、心不全や心筋梗塞、脳卒中などの循環器疾患の発症率が同等であることを示しました。これは、SGLT2阻害薬の循環器疾患への作用がクラスエフェクトであることを示唆するものです。本研究成果は、今後の生活習慣病や循環器疾患の診療におけるSGLT2阻害薬の使用にあたり、重要なリアルワールドエビデンスになることが期待されます。

本研究は、日本時間5月18日に医学雑誌「Cardiovascular Diabetology」に掲載されました。

※詳細は東大病院HP掲載の リリース文書[PDF]をご覧ください。

(2022/5/18)

慢性腰痛に対するモバイルアプリを用いた新たな患者教育と運動療法の効果

慢性腰痛(CLBP:chronic low back pain)は、世界的にみて最も生活に支障をきたす年数が長く、働く人のパフォーマンス低下にも影響する症状であり、その対策は社会課題の一つとなっています。慢性腰痛に対する最も有用な対策は患者教育と運動療法です。しかし、その方法はいまだ確立しておらず、かつ運動は継続しないことが難点とされています。

東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座の松平 浩特任教授(責任研究者)は、塩野義製薬株式会社(実施責任組織)と、働く世代の患者さんに対して、SNSを活用した会話ログと運動を人工知能(AI)により紐づけて継続的にリモートで提供し、その有用性を検討しました(試験ID:UMIN000041037)。その結果、痛みを緩和するための薬物治療を含む通常診療を受診した患者群と比較して、通常診療に加え患者教育と運動療法をセットにしたプログラムをモバイルアプリで実施した患者群の方において、慢性腰痛が改善していることがわかりました。このことから、スマートフォンとともに普及したモバイルアプリという手段を臨床で活用することが、患者さんのライフスタイルに合わせて短時間かつ簡便に運動を習慣化することにつながる有効な手段のひとつであることが明らかになりました。

慢性腰痛に対する運動療法はエビデンスのある治療法として広く普及していますが、薬の処方とは異なりオンライン診療では運動療法を継続、遵守することが困難なことなど導入に障壁があります。今回の研究結果は、慢性腰痛に関連する分野でのオンライン診療への発展も期待されます。

本研究成果は、日本時間5月16日に医学雑誌「JMIR mHealth and uHealth」オンライン版に掲載されました。

※詳細は東大病院HP掲載の リリース文書[PDF]をご覧ください。

(2022/5/17)

食に関する価値観、知識、技術と性別・年齢との関連:
一般日本人成人を対象とした質問票調査

東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野の村上健太郎助教、佐々木敏教授らの研究グループは、日本人成人2231人を対象に詳細な質問票調査を実施し、食品選択における価値基準、栄養知識、料理技術、食全般に関わる技能には、男女間、世代間で大きな差があることを明らかにしました。

この研究では、有用性が確立している質問票を用いて、食品選択における価値基準(入手しやすさ、便利さ、健康、伝統、感覚的魅力、オーガニック、快適さ、安全性)、栄養に関する知識、料理技術、食全般に関わる技能を調べました。主な結果として、女性は男性よりも、食品選択におけるすべての価値基準に重きを置いているだけでなく、栄養に関する知識、料理技術、食全般に関わる技能のすべてが高いことがわかりました。また、高齢の参加者(60~80歳)は、食品選択に際して「長期志向型」の価値基準(オーガニック、安全性)を重視する一方で、若年(19~39歳)および中年(40~59歳)の参加者は「短期志向型」の価値基準(入手しやすさ、便利さ、感覚的魅力、快適さ)を重視していました。さらに、男性では年齢が高いほど料理技術と食全般に関わる技能が低い一方で、女性では年齢が高いほど料理技術と食全般に関わる技能が高いという、男女でまったく逆の関連が見られました。

日本人を対象に、食に関する価値観、知識、技術を包括的に測定した研究は初めてであり、健康的な食事を目指した効果的な政策、教育・介入プログラムやキャンペーンの科学的な基盤となると考えられます。

本研究成果は、2022年4月30日(日本時間)に専門誌「Nutrients」のオンライン版に掲載されました。

※詳細はPDFこちら[PDF]をご覧下さい。

(2022/5/11)

乾癬を緩和する生理活性脂質を生成する酵素の発見

東京大学大学院医学系研究科の村上誠教授らの研究グループは、東京都医学総合研究所の平林哲也研究員らとの共同研究により、マウス乾癬モデルの皮膚において、抗炎症作用を持つ脂質メディエーターであるN-アシルエタノールアミン(NAE)の産生が増加すること、リン脂質代謝酵素の一つである細胞質型ホスホリパーゼA2ε(cPLA2ε)が発現誘導されNAEの産生調節に関わること、NAEにはヒト皮膚角化細胞において炎症物質であるS100A9の発現を抑制し乾癬炎症を緩和させる作用があることを発見しました。本研究結果は、これまで不明だった生体内でのNAEの産生経路とその乾癬病態における役割を初めて示したものです。皮膚におけるcPLA2εの発現誘導はマウス乾癬モデルだけでなくヒト乾癬患者でも認められることから、cPLA2εやNAEを標的とした創薬は、乾癬の新たな治療に役立つ可能性が期待できます。

本研究成果は、2022年4月28日(米国東部標準時)に掲載されました。

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(2022/5/10)

ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)で高齢男性の運動機能が改善
~ 超高齢化社会の課題“サルコペニア”の予防効果に期待 ~

東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科の五十嵐正樹助教、中川佳子医師、三浦雅臣医師、山内敏正教授の研究グループは、健常な高齢男性を被験者として、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を経口摂取した場合に、筋力低下を始めとした老化現象に与える影響についての無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行いました。健常な高齢男性に1日あたり250 mgのNMNを12週間経口摂取すると、NAD+および関連代謝物の血中濃度が上昇し、歩行速度、握力などの運動機能が改善することを明らかにしました。さらに、NMNの経口摂取により、聴力の改善傾向がみられることも分かりました。日本が直面している超高齢化社会ではサルコペニアの予防が大きな課題とされています。今回の研究結果から、NMNの経口摂取によるサルコペニアの予防効果が期待され、今後、健康寿命の延伸へ寄与するものと考えられます。

本研究成果は、日本時間5月1日に英国科学誌「NPJ Aging」のオンライン版に掲載されました。本研究は、三菱商事ライフサイエンス株式会社の受託研究として実施されました。

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(2022/5/6)

我が国における子供の数と学歴・収入の関係
~ 全国調査から明らかになる少子化の実態 ~

日本における少子化が課題となっている。しかしながら、その背景要因については不明瞭な部分が多く、特に経済的状況や学歴がどのように関係しているかについては明らかになっていない。東京大学大学院医学系研究科国際保健政策学教室は、1943年から1975年の間に生まれた人を対象に、夫婦が持つ子供の数がどのように変化しているか、また子供の数は収入や学歴によってどのように変わるのかを調べるために、国立社会保障・人口問題研究所が実施する出生動向基本調査を用いて分析を行なった。その結果、1943年-1948年の間と、1971-1975年の間に生まれた人を比較すると、子供を持たない人の割合は、男性では14.3%から39.9%、女性では11.6%から27.6%にまで増えていることが明らかになった。男性を大卒以上とそれ以下で比較した場合、大卒以上で、また収入が高い人ほど子供を持っている割合が大きいことがわかった。また、1943年-1948年生まれと1971-1974年生まれの男性を比較すると、収入が高い男性よりも収入が低い男性の方が、子供を持たない割合の増加度合いは大きかった。女性では、1956年から1970年の間に生まれた人では大卒以上の方が子供を持つ割合が少なかったが、1971-1975年の間に生まれた人では大卒以上とそれ以下では子供を持つ割合に有意差はなかった。分析結果は2022年4月27日に専門誌「Plos One」に掲載された。

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(2022/4/28)

高齢日本の20年後:認知症患者は減るが、格差拡大・フレイル合併で介護費増

東京大学大学院医学系研究科の笠島めぐみ特任研究員と橋本英樹教授が、同大学生産技術研究所、高齢社会総合研究機構、未来ビジョン研究センター及びスタンフォード大学との共同研究の結果、60歳以上の認知症とフレイル(虚弱)の有病率と医療介護費について2043年までの将来推計を明らかにしました。

戦後世代の高齢者の健康状態や学歴が全般的に向上していることや、年齢・性・学歴により疾病罹患状況の個人差を広がっていることを考慮し、大容量計算環境を用いた個人予測モデルを新規開発しました。

その結果、2016年では認知症患者数は510万人のところ、2043年では465万人に減ると推計されました。しかし、大卒以下の層や75歳以上女性では増加し認知症の社会格差が広がること、格差の影響を受ける層ではフレイルを合併する割合が高く濃密な介護ケアが必要になるため、介護費総額は増加することが示唆されました。

認知症の予防・治療技術の開発に加え、格差対策の必要性について科学的根拠を示すことで、高齢社会の維持可能性を高める政策立案に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2022年4月26日(英国夏時間)に英国科学誌「the Lancet Pubic Health」のオンライン版に掲載されました。

本研究は、科研費「基盤研究A;高齢社会の社会保障と税の将来インパクト推計;ミクロシミュレーションによる検討(課題番号:18H04070)(研究代表者 橋本英樹)」、National Institute of Ageing「Subaward No: 127056276 for “Integrating Information about Aging Surveys”(3R01AG030153-14S3)(Primary Investigator: Jinkook Lee, University of Southern California)」、そして日立―東大ラボ 元気高齢社会/エイジフレンドリー社会実装モデルプロジェクト(リーダー:飯島勝矢)の支援により実施されました。

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(2022/4/27)

コロナ禍の他疾患の診療に対する影響の評価

コロナ禍の医療に対する影響は全世界で甚大であり、我が国の他疾患の診療においても大きな影響があったことが報告されていますが、その全体像は明らかになっていませんでした。

今回、東京大学の山口聡子特任准教授、岡田啓特任助教、山内敏正教授、南学正臣教授、門脇孝名誉教授(虎の門病院院長)らの研究グループは、国内の26施設のデータを含む2017年1月から2020年11月までの診療データベースを用いて、コロナ禍の他疾患の診療に対する影響を俯瞰的に評価しました。2020年5月に入院、外来ともに件数が最も減少しており、小児科で特に著減していました。疾患別に見ると、呼吸器疾患の入院が最も減少していましたが、循環器疾患や消化器疾患でも減少が見られました。内視鏡検査やリハビリの件数も減少が目立った一方で、化学療法や透析療法はほとんど変化がみられなかったことがわかりました。

本研究ではコロナ禍によって他疾患の診療も広い範囲にわたり影響を受けたことがわかりました。今後これらの影響をさらに詳細に調査することで、他疾患の診断や治療の遅れを防ぐことにつながると考えられます。

本研究は、日本時間2022年4月25日に英国科学誌 BMJ Open オンライン版に掲載されました。なお本研究は、令和2年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業「新型コロナウイルス感染症に対応した新しい生活様式による生活習慣の変化およびその健康影響の解明に向けた研究―生活習慣病の発症および重症化予防の観点から―」(JPMH20CA2046)の助成を受け、門田守人日本医学会連合会長のプロジェクトによって実施されたものです。

東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・生活習慣病予防講座は、朝日生命保険相互会社との社会連携講座です。

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(2022/4/25)

健診での糖尿病指摘後に医療機関受診をしない集団を機械学習により予測

国内に約1000万人の患者が存在すると考えられている糖尿病は、未治療のまま放置すると心筋梗塞、脳卒中や慢性腎不全などの合併症のリスクが高まりますが、適切な治療の継続によりそれらの発症が抑えられることが知られています。しかしながら、特定健診などの生活習慣病の健診で糖尿病を指摘され医療機関の受診を勧奨されても、半数以上の患者が受診しないことが分かっており、受診率の向上が求められていました。

この度、東京大学の岡田啓特任助教、山口聡子特任准教授、山内敏正教授、南学正臣教授、康永秀生教授、門脇孝名誉教授(虎の門病院院長)らの研究グループは、機械学習を用いて、健診で糖尿病を指摘された後、未受診となる集団を予測するモデルの構築を試みました。診療報酬請求明細書・健診のデータを含む大規模疫学データベースを用いて、従来の13個の因子で予測するモデルと比較して予測能が高いモデルを、機械学習を用いることにより、4つの因子のみで構築できることを明らかにしました。本研究の成果は、糖尿病の合併症の予防を目的とした政策立案に大きく貢献するエビデンスとなることが期待されます。

本研究は、日本時間2022年4月18日に米国科学誌 Diabetes Care オンライン版 Published Ahead of Print に掲載されました。なお本研究は、厚生労働省および文部科学省科学研究費補助金(厚生労働行政推進調査事業費補助金・政策科学総合研究事業(政策科学推進研究事業)「診療現場の実態に即した医療ビッグデータを利活用できる人材育成促進に資するための研究」(課題番号 21AA2007 研究代表  康永秀生)、文部科学省科学研究費補助金「糖尿病受診中断の予測因子探索と政策提言」(課題番号 20K18957 研究代表  岡田啓)の支援により行われました。

東京大学大学院医学系研究科 糖尿病・生活習慣病予防講座は、朝日生命保険相互会社との社会連携講座です。

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(2022/4/20)

新しいタイプの筋ジストロフィー治療薬の開発
~ 発症原因を解消するプロドラッグを創出し、疾患モデルマウスの治療に成功 ~

この度、愛媛大学大学院医学系研究科の金川基教授、東京大学大学院医学系研究科の戸田達史教授、神戸大学大学院医学研究科の徳岡秀紀医師らの研究グループは、糖鎖異常型とよばれる筋ジストロフィーモデルマウスの治療に成功しました。

糖鎖とは核酸・タンパク質に次ぐ第三の生命鎖とよばれ、タンパク質や脂質に結合した形で機能を発揮する生体にとって重要な物質です。その重要さゆえに糖鎖の異常は時に疾患の原因になることもあります。筋ジストロフィーは筋力が進行性に低下していく遺伝性疾患で、有効な治療法が未だに確立されていない難病です。筋ジストロフィーの中には、糖鎖の異常によって発症する病型もあり、本邦の小児期筋ジストロフィーで二番目に多くみられる福山型筋ジストロフィーなどが挙げられます。糖鎖異常が生じる原因は様々ですが、糖鎖の材料となる物質の異常も筋ジストロフィーの原因となることが知られています。

本研究では、糖鎖の生合成に必要な物質のひとつCDP-リビトールの合成酵素ISPD(イソプレノイドドメイン含有タンパク質)の異常によって発症する筋ジストロフィーのモデルとして、ISPDが欠損したマウスを作出し、CDP-リビトールの合成不全と糖鎖異常が発症の原因になることを明らかにしました。次いで、モデルマウスに対するISPD遺伝子治療によって病気の進行を抑制できることを発見しました。更に、細胞内への送達効率を高めたCDP-リビトールを創出し、モデルマウスのプロドラッグ治療に世界で初めて成功しました。糖鎖の生合成経路を治療標的とする薬剤の開発研究例は極めて少なく、今回の発見は糖鎖異常を発症要因とする疾患の治療法開発にむけて画期的な成果となり、筋ジストロフィーや先天性糖鎖不全症などの希少難治性疾患の治療法開発にむけて大きな貢献が期待できます。

この研究成果に関する論文は、日本時間令和4年4月14日付でNature Communications誌に掲載されました。

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(2022/4/15)

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染モデルにおける脳の変化
~ COVID-19による病態解明や治療法開発の加速に期待 ~

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症によって引き起こされる症状は嗅覚障害や呼吸困難が有名ですが、認知機能の低下(Becker JH et al., 2021 JAMA)、強い倦怠感の持続や頭がボーっとする、といった”Brain fog”(Garner Paul, 2020, BMJ)などの中枢神経症状も報告されています。最新のヒト脳MRI研究からSARS-CoV-2感染後の脳構造が変化する(Douaud Gweaelle et al., 2022. Nature)ことも知られています。一方、SARS-CoV-2感染に伴い細胞レベルで脳にどのような変化が生じているかは不明でした。今回、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻耳鼻咽喉科学・頭頸部外科学、東京大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の山岨達也教授らおよび杏林大学保健学部臨床検査技術学科の石井さなえ准教授らの研究グループは、テキサス大学医学部ガルベストン校の研究グループとの共同研究によって、SARS-CoV-2感染後のシリアンゴールデンハムスターの嗅上皮と脳の組織を解析し、嗅上皮での嗅神経細胞と炎症細胞、脳での炎症細胞やシナプスの形態変化を明らかにしました。本研究の成果は、SARS-CoV-2感染による嗅覚障害だけでなく中枢神経症状の病態解明や治療シーズ開発を加速させると期待されます。

なお、本研究成果は2022年4月6日に、英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版にて発表されました。

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(2022/4/8)