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女性医師による治療は女性患者で有益
~ 大規模医療データを用いた自然実験 ~

東京大学大学院医学系研究科の宮脇敦士特任講師、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の津川友介准教授らによる共同研究チームは、女性医師に治療された患者の方が、男性医師に治療された患者よりも死亡率や再入院率が低い傾向にある一方で、女性医師の治療によるメリットは、女性患者の方が男性患者よりも大きいことを明らかにしました。因果関係にせまることのできる「自然実験」を用いた、米国の高齢者77万人以上の入院データの分析の結果です。米国でも日本と同様に、女性医師はいまだ少数派で、女性患者が女性医師に診てもらう機会は不足しています。本研究は、このような医師の男女比率のアンバランスが女性患者の健康に不利に働いていることを示しており、医療現場の女性医師の割合を増やすことで患者の予後が改善する可能性を示唆しています。

※詳細はPDFこちら[PDF]をご覧下さい。

(2024/4/23)

加齢黄斑変性の前駆病変が発生するしくみを発見
~ 加齢黄斑変性予防に対する新たな治療確立に期待 ~

東京大学医学部附属病院眼科の寺尾亮助教と、ワシントン大学セントルイス医学部眼科のRajendra S. Apte教授(兼 ワシントン大学セントルイス マクドネル学術大使、慶應義塾大学グローバル教授)らによる研究グループは、AMDの前駆病変(前兆として現れる変化)のひとつである網膜下ドルーゼノイド沈着(Subretinal drusenoid deposit)を発症する遺伝子改変マウスを用いて、AMD前駆病変が生じるしくみを明らかにしました。

この研究によって、NAD+の枯渇がマクロファージの細胞老化を引き起こし、その結果として網膜下ドルーゼノイド沈着が発生することが判明しました。また、老化細胞除去治療やNAD+補填療法がAMD前駆病変の出現を抑えることを明らかにしました。AMD前駆病変が発生するしくみについて遺伝子改変マウスを用いて詳しく研究されたのは本研究が初めてです。この研究成果が今後AMD前駆病変に対する治療として展開され、AMD予防のための治療法確立につながることが期待されます。

※詳細は東大病院HP掲載のリリース文書[PDF]をご覧ください。

(2024/4/18)

新規胃癌発生メカニズムを解明
~ そんなバナナ?な新治療の開発へ ~

東京大学医学部附属病院 消化器内科 新井絢也 医師、早河翼 講師、藤城光弘 教授と、国立研究開発法人産業技術総合研究所 細胞分子工学研究部門 多細胞システム制御研究グループ 舘野浩章 研究グループ長らによる研究グループは、ムチン(粘液)の一種であるMUC6の喪失が直接胃癌の発生を引き起こすことを明らかにしました。

本研究では独自に作成したMUC6ノックアウトマウス(以下MUC6KOマウス)を用いて、MUC6喪失により胃癌が自然に発生することを見出し、その発癌経路としてゴルジ体のストレスを介したGOLPH3遺伝子-MAPK経路の活性化を同定し、それに付随してマンノース異常糖鎖が高発現となることを世界で初めて示しました。

元来ムチン形質変化は発癌に付随して変化した結果と考えられてきましたが、今回MUC6喪失自体により直接胃癌が発生することを示したことは新しい胃癌発生メカニズムの発見として重要な意味があり、この研究成果は今後そのほかのムチン形質変化による多種多様な疾患への関与の解析につながることが期待されます。

※詳細は東大病院HP掲載のリリース文書[PDF]をご覧ください。

(2024/4/11)