広報・プレスリリース最新情報
日本初:食事の質を簡単に数分で調査可能に
~ 健診・保健指導・研究で活用できる12問の質問票 ~
東京大学大学院医学系研究科 社会予防疫学分野の大野 富美 博士課程学生(当時、現:同研究科 イートロス医学講座 特任助教)、篠崎 奈々 助教、足立 里穂 専門職修士課程学生(当時)、村上 健太郎 教授、佐々木敏 東京大学名誉教授らによる研究グループは、日本で初めて食事の質を数分で簡単に調査できる質問票を開発しました。
本質問票は12問で構成され、回答者の過去1か月の食習慣を尋ねることで、健康のために重要な10項目の食品・栄養素からなる「日本人のための食事の質スコア」を0~30点でスコア化します。開発にあたっては、食と健康に関する科学的根拠に加え、日本人の食事摂取量データなどに基づいて質問とスコア化の方法が設計されました。
従来、食事の質を科学的に測定できる質問票は質問数が50問以上で回答に時間がかかることが課題でした。本質問票は12問のみで、コンピューターなどがなくても簡単な足し算のみでスコア化ができる点が特徴です。妥当性の検証後は、健診・保健指導・研究など、短時間で食事の質を把握したい場面での幅広い活用が期待されます。
※詳細は
こちら[PDF]をご覧下さい。
(2026/4/15)
「医学部附属病院」から「大学附属」への組織変更について
4月8日に「東京大学大学院医学系研究科・医学部・医学部附属病院の改革に向けた提言」[PDF]が公表されました。
これを踏まえ、東京大学医学部附属病院は「医学部附属」から「大学附属」へと組織変更することとなりました。社会、そして大学に関わるすべての人々の信頼に応えるため、大学全体の理念のもとで、医学と医療、臨床と研究が相互作用によって更に発展するように、医学系研究科・医学部の改革を病院とともに一体的に推進して参ります。
(2026/4/10)
治療薬に乏しい小細胞肺がんへの新たな治療戦略を見出す
~ がん細胞特有の過剰な中心体に着目 ~
東京大学大学院医学系研究科の川上正敬講師、鹿毛秀宣教授、中川夏樹(医学博士課程:研究当時)、戸田嶺路(医学博士課程)らによる研究グループは、小細胞肺がんにおいてモータータンパクKIFC1を阻害すると、がん細胞特有の過剰中心体の二極への収束が阻害され、細胞の多極性分裂が誘導されて選択的に細胞死が生じることを、培養細胞および動物モデルで明らかにしました。
中心体は通常2個に厳密に制御され二極性分裂を担いますが、がん細胞では中心体数の制御が破綻し、過剰中心体がしばしば存在します。過剰中心体を有するがん細胞は、分裂時にこれらの過剰中心体を二極に収束させることで分裂を成立させています。この収束が阻害されると多極性分裂が生じ、染色体分配異常により細胞死に至ります(anaphase catastrophe)。
本研究では、小細胞肺がんが他のがん種と比べて過剰中心体を高頻度に有し、これを治療標的として利用できる可能性を示しました。さらに、中心体が2個の正常細胞ではKIFC1阻害による細胞死はほとんど認められず、本戦略ががん細胞特異的な脆弱性を標的とするものであることが確認されました。
治療選択肢が限られる小細胞肺がんに対し、本成果は選択性の高い新たな治療・創薬戦略の基盤となることが期待されます。
※詳細は東大病院HP掲載のリリース文書[PDF]をご覧ください。
(2026/4/10)
川崎病と屋外の環境との関連に関する疫学研究を整理
~ スコーピングレビューで世界の知見を統合 ~
長崎大学大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科のマダニヤズ・リナ准教授を中心に、東京大学、国立環境研究所、自治医科大学、北海道大学、韓国および台湾の連携機関との共同研究チームは、川崎病と屋外の環境との関連に関する世界の疫学研究をスコーピングレビュー(既存研究を幅広く整理して全体像や研究課題を示すレビュー)により整理しました。
その結果、川崎病は屋外の環境要因と関連する可能性が示唆され、特に、長期または胎児期(妊娠期)の粒子状物質ばく露および空気中の生物学的因子(バイオエアロゾル、花粉、粉じんに付随する微生物等)については、比較的一貫した関連が報告されました。一方、気象要因や短期的な大気汚染ばく露に関する知見は研究間でばらつきがあり、ばく露指標の定義や解析手法、地域特性などの違いが影響している可能性があります。
※詳細は
こちら[PDF]をご覧下さい。
(2026/4/9)
ミトコンドリアDNA転写阻害による放射線増感効果の解明
~ ミトコンドリア呼吸抑制によるがん放射線治療効果の増強 ~
東京大学大学院医学系研究科の細谷紀子准教授らによる研究グループは、ミトコンドリアDNAの転写を担うミトコンドリアRNAポリメラーゼ(POLRMT)の阻害剤が、ミトコンドリア呼吸を抑制することによって、放射線増感効果を発揮することを明らかにしました。
研究グループは、がん細胞においてミトコンドリアRNAポリメラーゼ(POLRMT)の発現が正常細胞に比べて亢進しており、その発現の高さが、がん患者の生存期間の短縮やがんの転移や進行度と相関することに着目しました。2020年にミトコンドリアRNAポリメラーゼ(POLRMT)の阻害剤IMT1が開発され、一部のがん細胞では単剤で増殖抑制効果を示すことは先行研究で報告されていましたが、亜致死的レベルの微量のIMT1を放射線照射と併用した場合の効果については、これまでに明らかにされていませんでした。そこで、研究グループでは、微量のIMT1と放射線照射を併用した細胞と、放射線照射のみを行った細胞の生存率を比較しました。その結果、正常細胞ではIMT1による放射線増感効果が見られないのに対し、がん細胞では、IMT1を放射線照射と併用した場合に、有意に細胞が死にやすくなることが分かりました。さらに、細胞外フラックスアナライザーを用いてミトコンドリア呼吸の評価をしたところ、がん細胞に放射線照射のみを行った場合にはミトコンドリア呼吸が亢進するのに対し、微量のIMT1を放射線照射と併用するとミトコンドリア呼吸が著しく抑制されることが明らかになりました。放射線照射によってミトコンドリア呼吸が亢進することは、先行研究でも報告されており、細胞が死ににくくなる可能性を示唆しています。本研究では、ごく微量のIMT1を放射線照射と併用することにより、放射線照射単独で見られるミトコンドリア呼吸亢進が阻害されて、がん細胞が死にやすくなることが示され、ミトコンドリア呼吸を標的とした新しいがん放射線治療増感法の開発への応用につながることが期待されます。
本研究成果は、2026年3月31日21時(米国東部夏時間)に国際科学誌『Journal of Radiation Research』に掲載されました。
※詳細は
こちら[PDF]をご覧下さい。
(2026/4/1)









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