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広報・プレスリリース情報(2010年(平成22年))

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医学系研究科 河西春郎教授と間野博行特任教授が上原賞を受賞

この度、医学系研究科疾患生命工学センター構造生理学分野の河西春郎教授、および医学系研究科ゲノム医学寄付講座の 間野博行特任教授(自治医科大学教授)が平成22年度の上原賞(上原記念生命科学財団)をそれぞれ受賞しました。 河西教授は「大脳シナプスと分泌現象の2光子顕微鏡を用いた研究」に関する業績、 間野特任教授は「肺がん原因遺伝子EML4-ALKの発見と臨床応用」に関する業績がそれぞれ評価されたものです。

※詳細は、上原記念生命科学財団 上原賞についてのWebページをご覧ください。
 http://www.taisho.co.jp/company/release/2010/2010121701.html

                                 東京大学大学院医学系研究科・医学部
(2010/12/28掲載)

免疫を抑制する細胞を増やす腸内細菌を発見

この度、医学系研究科病因病理学専攻免疫学講座の本田賢也准教授らは、消化管に常在するクロストリジウム属細菌が、 免疫抑制に必須の細胞である制御性T細胞(Treg細胞)の産生を強力に誘導することを明らかにしました。 この発見は科学技術振興機構(JST)課題解決型基礎研究事業の一環として実施されたものです。
本研究成果は、2010年12月23日(米国東部時間)に米国科学雑誌「Science」のオンライン速報版で公開されました。

※詳細は、JSTとの共同プレスリリースをごらんください。
  PDFリリース文書[PDF: 1681KB]

                                 東京大学大学院医学系研究科・医学部
(2010/12/24掲載)

新しい不妊のメカニズム発見:細胞内タンパク質DEDDによる子宮微細環境の調節が、着床直後の早期妊娠維持に必要である

発表概要:以前から当研究室で機能解析を続けていたDEDD(注1)という細胞内タンパク質が、 子宮脱落膜(注2)の成熟に必須であり、その欠損や機能不全は、胎盤形成前の妊娠早期に胎児を致死に至らしめる。 DEDDは不妊症の診断・治療の新しいターゲットである可能性がある。

発表内容:今日、10-15%の妊娠適齢期の夫婦が不妊に悩んでおり、実にそのうち30-40%の ケースではっきりとした原因が分からないでいる。私たちは今回、DEDDという細胞内たんぱく質を欠損したメスマウス子宮内において、 着床後胎盤が形成されるまでの間に、胎児の成育に重要な脱落膜の成熟が不全となり、その結果、妊娠早期に100%胎児が死亡してしまうことを見出した。 一方DEDD欠損マウスのオスは正常な生殖能力を持ち、またメスも排卵や妊娠に必要なホルモン分泌などに異常は無く、 受精卵の着床そのものは正常であった。この着床後胎盤形成前の期間は、特にヒトにおいてはブラックボックスであり、 その期間における子宮環境の異常が不妊の原因になるのかすら、よく分かっていなかった。 今回、DEDDという単一タンパク質の欠損によって、この期間特異的に子宮環境が異常となり、完全な不妊を導くことから、 いままで原因不明であった不妊症のケースにDEDDが関与している可能性がある。 したがって、今後DEDDは、不妊症の新しい診断や治療のターゲットとして期待できる。 我々は今後、ヒト不妊症患者の子宮組織やゲノムの解析を行い、DEDDに不全がないか調べる予定である。

発表雑誌:The Journal of Clinical Investigation 1月発行号

問い合わせ先:東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター
           分子病態医科学部門 教授 宮崎徹
           研究室HPはこちら

(2010/12/7掲載)

関節疾患総合研究講座 開発の膝関節診断支援ソフトKOACADが
  Microsoft Innovation Award 最優秀賞を受賞
  ― 変形性関節症の統合研究プロジェクトROADスタディの成果 ―

東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 関節疾患総合研究講座の岡敬之(助教)が株式会社イノテックと合同で開発した膝関節診断支援ソフトKOACADが、 Microsoft Innovation Award 2010 最優秀賞を受賞しました。 同センターで行っている変形性関節症の統合研究プロジェクトROAD(Research on Osteoarthritis Against Disability)スタディの成果です。 このソフトウェアは、健康に大きな影響を与えて社会問題にもなっている変形性膝関節症のレントゲン上での全自動診断に、世界に先駆けて成功したものです。 医療ソフトでは初めての受賞で、12月2日のMicrosoft Innovation Day(東京、九段)で発表されました。

※詳細はリリース文書をご覧下さい。
  PDFリリース文書[PDF: 130KB]

(2010/12/3掲載)

糖尿病におけるインスリン分泌低下のメカニズムを解明
  ― 2型糖尿病治療の新規治療法に直結する発見 ―

現在、我が国で890万人の患者がいるといわれている2型糖尿病は、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンの量が減少して、 全身でインスリン作用が低下し、血糖値が上昇する病気です。 今回、東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科の植木浩二郎准教授らは、インスリンの作用はβ細胞自身においても重要であり、 インスリンによって活性化されるPI3Kがインスリンの分泌を調節する鍵分子であることを解明しました。
β細胞だけでPI3Kを働かなくしたマウスでは、インスリンの分泌を調節する様々な蛋白の量が低下し、 ブドウ糖に反応して分泌されるインスリンの量が低下しました。一方、PI3Kの働きを回復させると、インスリンの分泌も回復しました。 また、肥満糖尿病(メタボ型)のマウスでもPI3Kの量や働きが低下しており、インスリンの分泌が減少していました。 これらのことから、PI3Kの働きを強める作用があるインスリンの分泌が低下するとβ細胞でのインスリンの作用が弱くなり、 PI3Kの働きが悪くなって、ますますインスリンの分泌が低下するという悪循環に陥っていることが分かりました。 β細胞でのPI3Kの働きを高める薬物が、この悪循環を断ち切る糖尿病治療薬として期待されます。

※詳細はリリース文書をご覧下さい。
  PDFリリース文書[PDF: 150KB]

(2010/12/2掲載)

医学系研究科 三品昌美 教授が紫綬褒章を受章

この度、医学系研究科機能生物学専攻 分子神経生物学分野の三品昌美教授が、秋の褒章で紫綬褒章を受章しました。 これは医学研究の発展への貢献が評価されたことによるものです。

三品教授は脳科学の分野において、代表的な神経伝達物質受容体であるアセチルコリン受容体とグルタミン酸受容体の多様性と 構造および機能を明らかにし、脳神経系の情報伝達と可塑性を分子レベルで解明しました。 さらに、グルタミン酸受容体が脳の発達や記憶・学習などの脳高次機能の基盤となっていることを明らかにし、 分子レベルから神経細胞の機能と脳の高次機能を理解しようとする統合的な脳研究の推進に先駆的な貢献をしました。
また、本研究科機能生物学専攻長及び医科学専攻長、平成21年度からは附属疾患生命工学センター長を兼務するなど、 本研究科の管理・運営にも力を注いできました。
研究の詳細については、三品研究室の下記ホームページをごらんください。
http://www.pharmacol2.m.u-tokyo.ac.jp/index.html

なお、東京大学大学院医学系研究科・医学部に現在在籍中の以下の教授が、過去に紫綬褒章を受章しています。

   宮下 保司 (機能生物学専攻 統合生理学 平成16年 秋)
   永井 良三 (内科学専攻 循環器内科学 平成21年 春)
   宮園 浩平 (病因・病理学専攻 分子病理学 平成21年 秋)
   門脇  孝 (内科学専攻 代謝・栄養病態学 平成22年 春)

                                 東京大学大学院医学系研究科・医学部
(2010/11/2掲載)

東大病院、小児入院患者の付き添い家族の滞在施設を招致
  ― 世界300 ヶ所の「ドナルド・マクドナルド・ハウス」が東大本郷キャンパス内に来年完成 ―

東京大学医学部附属病院と公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンは、 東大本郷キャンパス内に、遠方から入院する子どもに付き添う家族が利用できる滞在施設 「ドナルド・マクドナルド・ハウス 東大」を建設し、2011 年秋に開設を予定しています。

※詳細はリリース文書をご覧下さい。
  PDFリリース文書[PDF: 130KB]

(2010/10/7掲載)

pH感受性GPCR受容体を高発現するガン細胞の成長が早いことを発見

この度、東京大学医学系研究科長 清水孝雄教授のグループはTDAG-8(T-cell death associated protein)という7回膜貫通得型Gタンパク共役型受容体が肺ガンなどの組織に発現し、 細胞外の環境が酸性になると増殖を促進することを発見しました。一般に腫瘍組織では細胞の増殖が速く、このため、酸素補給が間に合わなかったり、 間に合っても「ワールブルグ効果」により周囲組織はpH5程度の酸性になると考えられています。この様な条件では多くの細胞は死んでしまうのが普通ですが、 この遺伝子を発現していると酸性pHを認識し、それを細胞内シグナル伝達に変え、むしろ細胞増殖を促進します。人でもいくつかのガン細胞がこの遺伝子を発現しており、 TDAG8拮抗薬が副作用を持たず新しい概念の癌治療薬になることが期待されます。本研究は現在米国留学中の井原裕一朗大学院生と現秋田大学教授の石井聡教授との共同研究で、 米国科学アカデミー紀要の9月20日のオンライン版に発表されました。

※詳細はリリース文書をご覧下さい。
  PDFリリース文書

(2010/9/22掲載)

自閉症の新たな治療につながる成果
  ― 世界初 自閉症に関わる脳の体積変化および自閉症の候補遺伝子との関連を解明 ―

自閉症は、相手や場の状況に合わせた振る舞いができないといった対人コミュニケーションの障害を主徴とする代表的な発達障害です。 この障害の原因や治療法は未確立で、高い知能を有する人でも社会生活に困難をきたすことが多い現状にあります。
東京大学大学院医学系研究科精神医学分野の准教授 山末英典、教授 笠井清登らのグループは、ヒトの脳部位のうち 他者への協調や共感に関わる下前頭回弁蓋部と他者の感情の理解に関わる扁桃体について調べ、下前頭回弁蓋部の 体積減少が自閉症の対人コミュニケーションの障害に関与すること、さらに扁桃体の体積の個人差が自閉症に関わる オキシトシン受容体遺伝子のタイプに関連していることを、いずれも世界で初めて明らかにしました。 今回の研究成果は、自閉症の原因や仕組みの解明に遺伝子や脳体積のレベルから貢献し、 近年注目されるオキシトシンによる治療の可能性を支持するものです。 (科学技術振興機構「戦略的創造研究推進事業 CREST」および文部科学省「脳科学研究戦略推進プログラム - 社会的行動を支える脳基盤の計測・支援技術の開発-」による成果)
これらの成果は2編の論文として、日本時間 9月2日および9月11日に米国Biological Psychiatry誌オンライン版にて発表しました。

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  PDFリリース文書[PDF: 355KB]

(2010/9/14掲載)

孤発性筋萎縮性側索硬化症のモデルマウスの開発
  ― グルタミン酸受容体のポストゲノム修飾(RNA編集)の缺陥 ―

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロンを選択的に侵す、原因不明かつ治療法のない致死性の神経変性疾患で、 病因解明・治療法開発が強く望まれています。私たちは、ALS患者全体の90%以上を占める孤発性ALSの変性運動ニューロンの解析から、 グルタミン酸受容体に本来生ずべきRNA編集が不十分であることを見出したことに基づき(Nature 427:801,2004)、 この分子変化を再現するRNA編集酵素ADAR2遺伝子のコンディショナルノックアウトマウスを開発しました。 その結果、ADAR2の活性低下に伴うグルタミン酸受容体の分子変化が運動ニューロン死の直接原因であることを証明しました (米国神経科学会機関雑誌Journal of Neuroscienceに発表)。 この研究は、孤発性ALS患者に見出された疾患特異的分子異常が運動ニューロン死の直接原因であることを証明したものであり、 孤発性ALSの分子病態を反映した疾患モデル動物として世界でも初めてのものです。 ALSの治療法開発にとり治療標的が特定できたと共に、治療効果の判定のために有用性が高い疾患モデル動物であると期待されます。
なお、本研究成果は、Journal of Neuroscience(9月8日号、30巻 頁11917-11925)にて発表されました。

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  PDFリリース文書[PDF: 146KB]

(2010/9/9掲載)

片頭痛の新たな原因遺伝子を発見
  ―神経興奮制御因子として働くナトリウム・重炭酸共輸送体NBCe1―

片頭痛はありふれた疾患で全人口の約10%程度に発症します。発作の間は日常生活に著しい支障が生じる場合がある上に、 発作の予防が難しい病気です。片頭痛の原因として環境的な要素に加え遺伝的な要素が強いことが知られていますが、 今まで家族性片麻痺性片頭痛という稀な疾患で3種類の原因遺伝子が同定されていただけでした。 この度、当院腎臓内分泌内科講師 関常司とベルギーのガストフイスベルグ大学 教授ヴィム・ファンペッシェンらのグループは、 腎臓・眼・脳などで発現しナトリウムイオンと重炭酸イオンを一緒に運ぶ輸送体であるNBCe1 の遺伝子変異による機能低下が 片頭痛を起こすことを発見しました (米国科学アカデミー紀要「Proceedings of the National Academy of Sciences USA」オンライン版Early Edition にて 米国東部時間8月23日の週に発表)。 この発見は脳内のpH調節機構の異常により片頭痛が発症することを初めて明らかにしたもので、 片頭痛発症機序の解明や新たな治療法の開発につながることが期待されます。

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(2010/8/24掲載)

インスリン分泌を起こす蛋白の構造変化の解明

インスリン分泌は糖尿病の成因に深く関わっています。今回、医学系研究科附属疾患生命工学センターの高橋倫子特任講師, 河西春郎教授 (構造生理学部門) は、インスリン分泌にかかわる蛋白の働きを、生きた膵ランゲルハンス島の内部で実時間観察することに初めて成功し、分泌の直前に構造が変化することを見い出しました。
本研究成果は、日本時間2010年7月7日、Cell Metabolism にて発表されました。

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(2010/7/7掲載)

医学系研究科に「こころの発達医学分野」を新設

平成22年4月に、東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻統合脳医学講座に「こころの発達医学分野」が 教育と研究を進める新たな教室として新設され、金生 由紀子准教授が着任しました。
 近年、自閉症や注意・欠如多動性障害(ADHD)などの発達障害をはじめ、「きれる」子ども、児童虐待など こころの発達の問題は増加の一途をたどっており、医学・医療にいっそう強力な対応が求められています。 一方、脳神経医学の視点から「こころの発達」を捉え、臨床と研究を結びつける試みは必ずしも十分ではなかったと 言わざるを得ません。そのような現状に対応すべく、本分野の開設に至りました。

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(2010/7/2掲載)

においの方向を知る神経メカニズムの解明

脳には、左右2つの目や耳からの情報を比較して「物の奥行き」や「音源の方向」を検知する神経回路が備わっています。人や動物は、左右2つの鼻の穴を持ち、匂いは鼻のなかでは左右別々の嗅上皮(感覚器)で受け取られますが、どうして左右2つの嗅上皮が必要なのか、これまで不明でした。
この度、東京大学大学院医学系研究科外科学専攻・医学運動機能講座耳鼻咽喉科学分野の菊田周助教は、東京大学大学院医学系研究科機能生物学専攻生理学講座細胞分子生理学分野 森 憲作教授の指導のもとに、ラットの大脳の嗅皮質の中にある前嗅核吻外側領域のニューロンが、「右鼻と左鼻に嗅ぎこまれた匂いの濃さを比較して、左右どちらの方向に匂い源があるかを検出する」機能をもっていることを見出しました。
本研究成果は、日本時間2010年6月29日、米国科学アカデミー紀要 (Proceedings of National Academy of Sciences, USA) にて発表されました。

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(2010/6/29掲載)

脂肪細胞中にたまった脂肪滴を溶かし、肥満を抑制するタンパク質AIMの発見
  -画期的な痩せ薬開発の可能性-

この度、医学系研究科附属 疾患生命工学センターの宮崎徹教授 (分子病態医科学部門) は、自身が以前、細胞死を抑制するタンパク質として発見した AIM (Apoptosis Inhibitor of Macrophage) が、脂肪細胞に直接作用して細胞中の脂肪滴を融解し、また幼若な脂肪前駆細胞の成熟を著明に妨げることにより、肥満を抑制することを明らかにしました。
作用の分子メカニズムも解明しており、創薬の優れたターゲットであると考えられます。
本研究成果は、日本時間2010年6月9日、Cell Metabolism にて発表されました。

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(2010/6/9掲載)

骨折治癒を大幅に早める治療薬を開発
  ―リコンビナントヒト線維芽細胞増殖因子-2 (rhFGF-2)製剤の臨床試験―

骨折治癒を早める薬剤は社会的要請が高いにもかかわらず、現在まで国内外を通じて臨床応用されているものはありません。 当院整形外科・脊椎外科(教授 中村耕三)は、線維芽細胞増殖因子-2(FGF-2)と呼ばれる全身で作られているタンパク質の 骨形成促進作用に注目し、これを用いたリコンビナントヒトFGF-2(rhFGF-2)の研究開発を行ってきました。 既に、基礎研究、動物実験を行い、骨折部へのrhFGF-2 の局所注射が強力に骨癒合を促進することを報告しています。 今回、これらの非臨床試験の結果に基づき、当院を中心とする国内48 施設において、脛骨骨幹部の新鮮骨折患者を対象とした 臨床試験を行い、rhFGF-2 の局所注射が骨折部の癒合までの時間を約4 週間短縮することがわかりました (Journal of Bone and Mineral Research 電子版 にて日本時間2010 年6 月8 日に発表しました)。 本臨床試験により、rhFGF-2 製剤が世界初の新鮮骨折治癒促進剤となりうることが示されました。 現在は、実用化に向け研究開発を進めています。

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(2010/6/8掲載)

脳の神経ネットワーク形成のメカニズムを解明
  (機能生物学専攻分子神経生物学分野 三品昌美教授、植村健助教ら)

脳の高次機能は膨大な数の神経細胞ネットワークに基づくと考えられています。 今回、本学医学系研究科機能生物学専攻 分子神経生物学分野の三品昌美教授、植村健助教らは、 脳における神経細胞と神経細胞とのシナプス結合が形成される分子メカニズムを世界ではじめて解明しました。
本研究成果は、日本時間2010年5月28日、Cell オンライン版(Advance Online Publication)にて発表されました。

※詳細は添付のリリース文書をご覧下さい。
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(2010/6/1掲載)

医学系研究科 宮園浩平教授が第51回藤原賞を受賞

この度、医学系研究科の宮園浩平教授(病因・病理学専攻分子病理学分野)が、第51回藤原賞を受賞されました。 藤原賞は藤原科学財団(理事長・鈴木正一郎王子製紙会長)が毎年、自然科学分野に属する基礎科学及び応用科学において、 科学技術の発展に卓越した貢献をした科学者2名を顕彰するものです。
今回の宮園教授の受賞理由は、「TGF‐βファミリーのシグナル系を機軸とした分子医学への貢献」です。研究内容について詳細は下記のホームページをごらんください。
なお、宮園教授は平成21年秋に紫綬褒章を受賞されています。

URL:分子病理学分野宮園研究室 http://beta-lab.umin.ac.jp/
(2010/5/25掲載)

変形性関節症の原因分子HIF2A の発見 (東大病院 整形外科・脊椎外科)

—ROAD スタディによるfrom Bench to Bedside and Society 研究の成果—

 変形性関節症は四肢や脊椎の関節軟骨が摩耗する病気で、高齢者の生活の質(QOL)を低下させ、 健康寿命を短縮させる、いわゆるロコモティブシンドロームの代表的疾患です。 これまでに、東京大学医学部附属病院(以下、東大病院)の整形外科・脊椎外科の研究チームは、 変形性関節症には、生理的な骨の成長に必須の現象であるはずの 「軟骨内骨化」が関与していることを報告してきましたが、今回、東大病院 整形外科・脊椎外科の 川口浩准教授、斎藤琢助教らはその主たる原因がhypoxia-inducible factor 2α(HIF2A)という タンパク質であり、この分子が炎症などによるnuclear factor-kappa B(NF-κB)の活性化で 誘導されることを発見しました。このHIF2A/NF-κB シグナルを治療標的とすることで、 将来、変形性関節症の根本的治療法の確立に繋がる可能性があります。 本研究は東大病院の整形外科・脊椎外科が推進する Research on Osteoarthritis Against Disability(ROAD)スタディの成果です。
 なお、本研究成果は、日本時間2010年5月24日、英国科学雑誌 Nature Medicine オンライン版にて発表されました。

※詳細は添付のリリース文書をご覧下さい。
  PDF リリース文書

(2010/5/24掲載)

医学系研究科 門脇 孝教授が紫綬褒章を受章

門脇 孝教授この度、医学系研究科内科学専攻 生態防御腫瘍内科学講座 代謝・栄養病態学の門脇 孝教授(医学部附属病院 糖尿病・代謝内科 科長)が、春の褒章で紫綬褒章を受章しました。これは医学研究の発展への貢献が評価されたことによるものです。
門脇教授は糖尿病の研究に携わり、その研究業績は国際的に高い評価を受けています。特に、(1)遺伝子異常による糖尿病の同定、(2)発生工学的手法を用いた2型糖尿病・メタボリックシンドロームの分子機構の解明、(3)PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ)の生理的意義の解明と糖尿病治療薬チアゾリジン誘導体の作用機序の解明、(4)アディポネクチンのインスリン感受性亢進作用の発見とアディポネクチン受容体の同定などの重要な成果をあげ、2型糖尿病の成因・病態の解明とその臨床応用に貢献しました。平成17年より医学部附属病院の副院長を兼務するとともに、平成21年からは本学総長特任補佐を勤めるなど、当院ならびに本学の管理・運営にも力を注いできました。

なお、東京大学大学院医学系研究科・医学部に在籍中の以下の教授が、過去に紫綬褒章を受章しています。

   宮下 保司 (機能生物学専攻 統合生理学 平成16年 秋)
   永井 良三 (内科学専攻 循環器内科学 平成21年 春)
   宮園 浩平 (病因・病理学専攻 分子病理学 平成21年 秋)

                                 東京大学大学院医学系研究科・医学部
                                 東京大学医学部附属病院
(2010/4/28掲載)