2023年度のシラバスを掲載しました。
4月3日(月) には公共健康医学専攻オリエンテーション (zoom) が開催されます。授業開始は4月5日(水)からになります。なお教員の異動に伴い、一部科目については臨時の教員配置により実施しています。
過去のシラバス
- H25年度シラバス(PDF形式)
- H26年度シラバス(PDF形式) (2014/9/3更新)
- H27年度SPHシラバス(PDF形式)
- H28年度SPHシラバス(PDF形式)
- H29年度SPHシラバス(PDF形式)
- H30年度SPHシラバス(PDF形式)
- H31年度SPHシラバス(PDF形式)
- 2020年度SPHシラバス(PDF形式)
- 2021年度SPHシラバス(PDF形式)
なお、専門職大学院設置基準第 14 条および東京大学大学院専門職学位課程規則第 14 条では「教育上有益と認めるときは、学生が当該 専門職大学院に入学する前に大学院において履修した授業科目について修得した単 位(科目等履修生として修得した単位を含む。)を、当該専門職大学院に入学した後 の当該専門職大学院における授業科目の履修により修得したものとみなすことができる」と規定していますが、本専攻では公衆衛生大学院の教育課程の特殊性を考慮して、当面既修得単位は認定しないとの方針をとっています。
PDF形式をごらんになるには、Adobe AcrobatReaderが必要です。
授業科目の名称 | 講義等の内容 | 単位数 |
疫学研究と実践 | 疫学研究方法論の基礎を講義すると同時に、実践する際の問題点とその克服について、事例研究(ケーススタディ)を通じて学ぶ。主な内容は以下の通り:疫学的思考、因果関係の立証、疾病発生の把握と信頼性の確保、疫学研究デザイン入門、バイアスと誤差的バラツキ、バイアスとくに交絡の制御、統計解析の役割、研究倫理と同意・個人情報保護、遺伝疫学、研究成果のフィードバックと予防保健など。 | 2 |
予防保健の実践と評価 | 職域・地域などをフィールドとして、健診結果や疫学研究の成果を成員にフィードバックすることにより予防保健につなげる実践活動について、主に事例研究(ケーススタディ)を通じて学ぶ。主な内容は以下の通り:健康目標の設定とその評価、実施組織の構築と役割・費用分担、成員の合意形成と情報のフィードバック・コミュニケーション、プライバシーと個人情報保護、職域保健活動の事例(産業医の役割)、地域保健活動の事例(保健師の役割)など。 | 2 |
医学データの統計解析 | 医学研究のデザイン、統計的仮説検定と信頼区間、サンプルサイズ設計、分割表データの解析、回帰と相関、層別解析、モデルに基づく解析、生存時間解析、多変量解析諸手法などについて教え、医学データの統計解析に必要な基礎知識、ならびに応用能力を身に付けさせる。 | 2 |
医学統計学演習 | 「医学データの統計解析」で講義された主要な統計手法について、 |
2 |
医学研究のデザイン | 疫学研究・臨床試験のデザインと実際の研究運営についての講義とともに、事例研究(ケーススタディ)を行う。主要雑誌に掲載される論文を理解するための基礎知識を習得し、共同作業でプロトコルを策定できる能力・研究事務局に参画するために必要とされる能力を磨くことを目指す。主な内容は以下の通り: 研究デザインの分類と特徴、測定の標準化、疫学研究のデザイン(バイアスの制御と症例数決定など)、臨床試験の方法論(ランダム化と割り付け、エンドポイントの設定、中間解析、統計解析の原則、症例数決定、ICHガイドラインなど)、標本調査入門、プロトコルの作成、品質管理と品質保証、データマネージメント、論文作成とCONSORT宣言、研究費用の算定と研究の運営など。 | 2 |
臨床疫学 | 臨床疫学研究のテーマは、日常臨床の中に潜んでいる。Clinical practice からresearch question を紡ぎ出し、研究仮説を立て、適切なデザインを構築し、利用可能なデータから意味のある分析結果を出し、臨床的に妥当な解釈を行う。これら一連のプロセスを遂行するために不可欠となる臨床疫学の理論および実践的な方法論を身につける。 | 2 |
臨床疫学・経済学演習 | 学生各人が、具体的な臨床的関心あるいは公衆衛生学的関心に基づき、文献検索と仮説構築を行い、研究のproposal writing(研究の背景と目的の提示、データ収集の定式化並びに分析計画、研究費の予算書作成など)ができる実践的なスキルを身につける。さらに医学英語論文の書き方の基本を学ぶ。 | 2 |
保健医療経済学 | 医療経済学の基礎知識を身に着けるとともに、実証的な医療経済学分析の方法論についての基本を学ぶ。さらに医療経済学の考え方に沿って、現実の医療経済政策における個別の課題について考察する力をつける。 | 2 |
医療コミュニケーション学 | 臨床現場における対人コミュニケーションからメディアによるコミュニケーションまで、医療コミュニケーション(ヘルスコミュニケーション)の領域を概観し、その基礎的な理論と実践を体系的に学習する。ヘルスコミュニケーションにおける理論体系、実践的方法論、コミュニケーションの評価・分析方法等を取り扱うともに、ヘルスコミュニケーションの具体的な実践例の紹介と分析も行う。 | 2 |
医療コミュニケーション学演習 | 医療コミュニケーション(ヘルスコミュニケーション)の実践に必要な演習を行うことによって、「医療コミュニケーション学」の講義で学んだ様々な理論や実践方法論に対する理解を深めるとともに、具体的な医療コミュニケーションの場(医療機関、官公庁、教育機関、研究機関、患者支援組織、マスコミ等)でこれらを生かすことができるようにすることを目的とする。 | 1 |
医療技術評価学演習 | 医療経済評価及びアウトカム評価の実践能力を身に付けるために、具体的な医療技術や薬剤を事例として取り上げ、グループ毎に評価研究のステップに従って、課題の設定、決定樹やマルコフモデルの作成、臨床結果及びコスト情報の収集、費用対効果の算出、感度分析などの一連の経済評価手法を学ぶ。 | 1 |
医療経営学演習 | 臨床経験3年以上の医療従事者を中心に、病院経営の基本的姿勢や考え方について初歩的理解を得ることを到達目標とする。コア概念(財務・管理会計、組織論・人材管理、戦略論、リスクマネジメント)について基本知識を系統講義で確認した後、ケースシナリオを用いたグループディスカッションを通じ、それらを実践知化する。 | 2 |
臨床医学概論 | 医学部医学科の初歩レベルの臨床医学に関する知識のエッセンスを学ぶ。系統講義を通して、解剖・生理、診断・治療の要点を学ぶ。 | 1 |
医学研究とCDISC標準 | 本講義では、CDISC (Clinical Data Interchange Consortium) 標準についての概要を解説する。CDISC標準は、日本、米国、EUにおいて、規制当局への新薬治験データの申請のデータ標準として採用されることが決まっており、治験以外の一般の医学研究のデータ収集、データ交換、アーカイビング等のためにも世界中で幅広く活用されると予想されている。 | 1 |
精神保健学Ⅰ | 前半では、わが国と世界の精神疾患の疫学、精神健康評価の方法論、科学的根拠に基づいた地域、職場、学校における精神保健の第一次、第二次、第三次予防の方法論について学ぶ。後半は、科学的根拠の精神保健の実践への応用について事例に基づいた双方向講義を行い、最後にグループワークにより新しい精神保健対策を立案する小演習を行う。 | 2 |
精神保健学Ⅱ | 職場のメンタルヘルスについて、その歴史と現状、関連する法規、ガイドラインおよび制度、職業性ストレスの基礎理論、科学的根拠に基づく有効な第一次、第二次、第三次予防の方法、計画立案およびプログラムの評価方法について学ぶ。事業場の特性を踏まえた対策立案について事例研究(ケーススタディ)を行い、具体的な進め方について討論(ディベート)する。 | 2 |
健康教育学 | 本講義の前半では、健康関連行動に関するミクロならびにマクロレベルの理論を系統的に紹介し、これらの理論の背景となる人間像や社会観を批判的に読み解くとともに、それぞれの長所・限界点を議論していく。後半は地域・職場・学校などの具体的な場において展開する「健康づくり」活動についてディスカッションを通じて理解を深めるとともに、理論と実践の溝を埋める作業を促す。 | 2 |
健康社会学 | 医学的な視座を相対化し、健康・疾病・医療・公衆衛生が社会においていかなる意義・役割・機能を有しているのかを再検討するための素地として、社会学の諸理論のうち医学・保健に関するトピックを取り上げる。 | 2 |
医療倫理学Ⅰ | 公衆衛生領域の政策決定や臨床現場における倫理的判断の基礎となる倫理・哲学的な考え方を教える。医療倫理学総論・歴史、インフォームドコンセント、研究倫理などを取り上げ、全体講義と少人数討論(ディベート)を行う。 | 2 |
医療倫理学Ⅱ | 「医療倫理学 I」で扱った内容をさらに深く教授する。発展として公衆衛生、資源配分、臨床倫理コンサルテーション等に焦点を絞り、全体講義、少人数討論を行う。 | 2 |
社会と健康Ⅰ | 教育・経済状況(貧困)・社会的孤立・住環境・就労環境・社会的ネットワークなど、健康に影響を与える社会的な要因(Social Determinants of Health: SDH)について、その理論的背景・実証研究・現時点の実証および実践上の課題について鳥瞰する。 | 2 |
社会と健康Ⅱ | 「社会と健康I」で学んだ知識をベースに、社会環境にアプローチする健康格差対策の進め方について実践的に学ぶ。既存の実践理論モデル、介入、政策の事例を紹介し、その利点、欠点を考察する。初回講義で各人にテーマを割り振り、順次発表してもらい、ディスカッションする。 | 2 |
産業保健の理論と実践 | 産業保健について最近の動向と国際的視点についてのアップデートな情報を教授すると同時に、事例分析や演習を通じて産業保健を職場で遂行するための実践的技術の基礎を習得する。 | 2 |
保健医療人材育成学 | 保健・医療分野の人材育成(human resource development for health, health professional education)について、教育や学習に関連した理論に基づいて、全体講義と少人数講義を通して学ぶ。 | 2 |
学習者評価学 | 保健・医療分野の人材育成において、資格認定や学習内容の修得と関連する学習者評価 (learner assessment)に関して、統計学や心理測定学(psychometrics)の理論を含めて学ぶ。 | 2 |
健康医療政策学 | 疾病予防対策、医療保険制度、医療提供体制、医療評価など、種々の健康・医療に関わる制度・政策の背景並びに立案・実施、報道、社会への影響について、様々なステークホルダーの立場、関連の法令、費用負担のあり方などを学習するとともに、事例(ケース)を通じて実際を理解する。 | 2 |
医療情報システム学 | 医療におけるデータ管理、データのコード化と分類、情報技術の基礎と標準化、データ処理技法、医療情報システムとネットワーク技術の基礎と運用、医療における情報保護やセキュリティー、医療情報システムの管理などについて講義する。 | 2 |
医療情報システム学実習 | 医療におけるデータ管理とデータのコード化手法、データ処理技法、医療情報システムの設計、管理手法を実際の病院情報システムをフィールドとして実習する。 | 1 |
法医学・医事法学 | 異状死、特に医療関連死の事例・判例につき、法的背景、社会的背景を中心に講義・討論形式で進める。実際の解剖・検案・鑑定に参加して学ぶ他、法廷見学・討論をする。事例・判例セミナーを定期的に開催する。 | 2 |
法医学・医事法学演習 | 死因究明の法・制度に関する日本や諸外国の問題点を、遺族・医師などに対する意識調査、文献調査、現地調査(フィールドワーク)などを通じて分析し、新しい法・制度を提案する演習を行う。また、担当教員が関わる厚生労働省「医療関連死の死因調査に関するモデル事業」の実務を通じて、死因調査実務担当者(看護師、医師、コーディネータ)・教育担当者を想定した実習を行う。 | 2 |
医療安全管理学 | 医療現場におけるヒヤリハットや医療事故などに関わるリスク要因の探索、医療安全促進に向けたシステム作り、医療事故に対する対応や過去の訴訟事例などについて、実践的な討論(ディベート)などを通して、医療安全管理の実際を身に付ける。 | 1 |
医療安全管理学実習 | 医療現場における実際のヒヤリハット事例や医療安全促進に向けたシステム作り、医療事故に対する対応などについて、実際の医療機関で資料を収集・分析することにより、実践的な分析能力、対策立案能力を身に付ける。 | 0.5 |
健康危機管理学 | 新興・再興感染症等のアウトブレイクや大規模災害など様々な健康危機の事例、健康危機突発事の原因同定と対応策、平時におけるサーベイランスについて学習するとともに、事例を用いて健康危機管理に必要な疫学調査法の基本を習得する。 | 1 |
保健行政・健康危機管理学実習 | 原因不明の健康危機事例やその他の保健行政に関して、各種疫学指標の算出、原因に関する仮説の構築、現実的な対応策の立案及びその実施と評価、対策実施に関わる組織・態勢のマネジメントなどについて、保健行政の現場に身をおき、保健所長などの各種専門職の役割を理解しながら、健康危機管理やその他の保健行政の基本的対応を身に付ける。 | 2 |
環境健康医学 | ヒトは、大気、水、食品などの環境から様々な有害な化学物質を体内に取り込んでいる。これら有害物質による生体影響の同定、量反応関係、有害影響が現れる病態発生のメカニズムとその影響を初期に診断するためのバイオマーカー、環境防御対策などについての基本的な知識と考え方を身に付ける。 | 1 |
公共健康情報学 | 公共健康医学分野における情報処理の基礎を習得する。特に地理情報システム、感染症サーベイランスシステム、疾患登録システムと関連する情報処理技術に重点を置く。 | 2 |
公共健康情報学実習 | Rを用いた地理情報システムを例に公共健康情報処理に必要な情報処理技術を身に付ける。 | 1 |
インターンシップ | 公衆衛生の現場(公衆衛生関連の試験研究機関・シンクタンク・非営利団体等、医療機関)などに身を置いて、実務の中から、自ら取り組むべき課題を見つけ、分析を行い、対策を立案する能力を身に付ける。 | 2 |
公共健康医学特論 | 公共健康医学専攻の全13分野から、それぞれ公共政策・活動との接点となる具体的取り組み事例や課題をテーマとして取り上げ、公共の厚生に資する健康科学のあり方と、その研究・実践上の克服すべき課題について、理解を深める。 | 2 |
課題研究 | 指導教員のもとで、特定の研究課題について現地調査(フィールドワーク)、資料収集、分析・統計解析、論文作成などの実践を通して、高度な問題解決能力を身に付ける。 | 6 |