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一般向け情報(2012年(平成24年))

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2013年度Global Health Leadership Program 受講生募集中

東京大学グローバルヘルス・リーダーシップ・プログラム(GHLP)では、2013年度の受講生募集を開始いたしました。
グローバルヘルス領域でのインターンシップ派遣や講義に加え、リーダーシップスキルを高めるためのワークショップなども行っています。 博士課程在学中/ポスドクの方は正規生として、その他の方は聴講生としてご応募いただけます。
皆様からのエントリーを心よりお待ちしております

詳細はGHLPのページをご覧下さい。

(2012/12/11掲載)

GCOEセミナー・神経機能セミナー

演題:Early cortical circuits that regulate development and plasticity
演者:Dr. Patrick O. Kanold (University of Maryland, USA)
日時:平成24年12月18日(火) 午前12時~午後1時
場所:東京大学医学部教育研究棟 13階第8セミナー室
問合せ:医学系研究科 神経機能解明ユニット 河崎洋志
      03-5841-3616, kawasaki@m.u-tokyo.ac.jp, http://square.umin.ac.jp/top/
本講演会は医学部大学院公開科目「疾患のケミカルバイオロジー」セミナーを兼ねています。

Patrick Kanold先生はCarla Shatzラボ出身の神経回路形成メカニズム研究の先駆者で、特にsubplate neuronの重要性を次々に明らかにしてこられました。今回、遺伝学研究所へ招聘された際に、東大でもセミナーをして頂けることになりましたので、ご参加くださいますようご案内申し上げます。事前登録などは不要です。

Abstract: We have investigated the circuits of the developing and adult brain from a single cell level to large assemblies of neurons by combining in vivo and in vitro 2-photon Ca2+-imaging, single unit recordings, patch clamp recordings and optogenetic methods. Our developmental work to date has identified subplate neurons as a crucial component of the developing thalamocortical system. Without these neurons cortical development does not proceed normally. We thus investigated how these neurons promote normal development and plasticity of the cerebral cortex. We are also investigating if there are other circuits present at other ages, in particular in the adult, that play similar roles and that might be harnessed to overcome developmental issues. In this context we are particular interested in top-down influences on auditory processing since these circuits seem to have a unique ability in shaping auditory function and are dysfunctional in neurodevelopmental diseases such as autism.

References: Science 2003, 301, 521-525; Nature Neuroscience 2005,8,380-388; Neuron 2006, 51, 627-638; Nature Neuroscience 2010, 13, 361-368

(2012/11/26掲載)

第1回早期・探索的臨床試験拠点 Joint Symposium 開催のお知らせ

この度、第1回早期・探索的臨床試験拠点 Joint Symposium「アカデミア発医療イノベーション―All Japan パラダイムシフト―」が開催されることになりました。

日時:2012年12月11日(火)13:00~16:55
場所:品川インターシティホール
参加費:無料(事前申込不要)

詳細はポスター[PDF]をご覧下さい。

(2012/11/26掲載)

第49回東京大学医学教育セミナー

12月6日(木)、第49回東京大学医学教育セミナーとしてジェフリー・ウォン特任教授による講演「サウスカロライナ医科大学のカリキュラムおよび文化の変革~考え方, 苦難のプロセス,教育アウトカム~」を開催いたします。出席をご希望の方は、ご所属とお名前を東京大学医学教育国際協力研究センター(03-5841-3583、ircme-lec@m.u-tokyo.ac.jp)までご連絡ください(参加無料)。

●開催日時:2012年12月6日(木)18:00~19:30
●会場:東京大学医学部総合中央館(医学図書館)3階 333会議室
●講師:Jeffrey G. Wong, MD, FACP
     東京大学医学教育国際協力研究センター 特任教授
     米国 サウスカロライナ医科大学 教授
●演題:サウスカロライナ医科大学のカリキュラムおよび文化の変革
     ~考え方,苦難のプロセス,教育アウトカム~
     Reformulating the Curriculum and the Culture at One US Medical School:
     Philosophical Foundations, Logistical Considerations, and Educational Outcomes

詳細は、こちらをご覧下さい。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

(2012/11/20掲載)

第6回家族ケアフォーラム
  「周産期のメンタルヘルスと子ども虐待の予防―世代間伝達を断ち切る―」

日時:12月22日(土)13:30~16:30(開場13:00)
場所:伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール
主催:東大家族ケア研究会
    こころの発達と障害の教育研究コンソーシアム
参加費:無料
詳細はこちら[PDF]をご覧下さい。

(2012/11/15掲載)

第48回東京大学医学教育セミナー

開催日時:2012年11月1日(木)18:00~19:30
会場:東京大学医学部総合中央館(医学図書館)3階 333会議室

第48回東京大学医学教育セミナーは、 米国の臨床指導の専門家であるお二人の先生をお招きし、 近年、米国の臨床教育に活かされ始めた新しい理論と、その教育現場での応用についてお話しいただきます。

<講師・演題>
●講師:Daniel R. Wolpaw, MD
     米国 ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部 教授
     2003年度 東京大学医学教育国際協力研究センター 客員助教授
 演題:“Adaptive Expertise in Medical Education”

●講師:Jeffrey G. Wong, MD, FACP
     東京大学医学教育国際協力研究センター 特任教授
     米国 サウスカロライナ医科大学 教授
 演題:“Assessing the Developing Expertise in Learners”

詳細は、こちらをご覧下さい。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

(2012/10/9掲載)

Editorial Seminar ~医学雑誌の質の向上を目指して~

東京大学医学教育国際協力研究センター及びWileyの共催で、2012年11月2日(金)「Editorial Seminar ~医学雑誌の質の向上を目指して~」と題し、 医学系の雑誌がより信頼され、よりよくなるためのセミナーを開催することになりました。
すべての医学雑誌編集者、医学研究者の方々のご参加をお待ち申し上げております。
詳細は医学教育国際協力研究センターのページをご覧下さい。

(2012/9/25掲載)

第4回企画展「わたしたちの脳」がスタート

東京大学・健康と医学の博物館の第4回企画展では、「脳」を取り上げます。
人間の生活において、脳の活動が非常に重要なことは言うまでもありません。われわれは感じ、記憶し、考え、行動するといった、生きることを脳に依っているからです。そして、脳もまた病みます。
科学者の脳への興味も尽きず、様々な着眼点から、多様な方法が用いられ、脳の仕組みや機能が解明されてきました。今回は、科学が明らかにした、わたしたちの「脳」の面白さに気付いていただけることを期待しています。

健康と医学の博物館のページはこちら

(2012/9/12掲載)

GHLP 特別講演会10月3日「伝染病と地球規模の安全保障」

グローバルヘルス・リーダーシップ・プログラム(GHLP)では下記のとおり特別講演会を行います。

日時:2012年10月3日(水) 16:00 pm~18:00 pm
場所:福武ホール 福武ラーニングシアター (東京大学本郷キャンパス内)
テーマ:「伝染病と地球規模の安全保障:国境を越えた安全保障としての新興感染症」
講師:Dr. Patrick W. Kelley, Senior Board Director, Institute of Medicine
参加費:無料
* レクチャーは英語のみとなります。
  ご参加いただける場合は下記のリンクよりご登録くださいませ。
  http://goo.gl/W5Hq9

皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

(2012/9/6掲載)

GCOEセミナー・神経機能セミナー

演題:Mechanisms of Sensory Map Development
演者:Dr. Michael C. Crair、Yale University
日時:平成24年9月14日(金) 午前11時~午後0時
場所:東大医学系研究科教育研究棟 13階第8セミナー室
問合せ:医学系研究科 神経機能解明ユニット 河崎洋志
      03-5841-3616, kawasaki@m.u-tokyo.ac.jp, http://square.umin.ac.jp/top/
本講演会は医学部大学院公開科目「疾患のケミカルバイオロジー」セミナーを兼ねています。

Michael Crair先生は神経回路の形成メカニズム研究の先駆者で、特に活動依存的な神経回路の再編成機構を次々に明らかにしてこられました。今回、日本神経科学学会へ招聘された際にセミナーをして頂けることになりましたので、ご案内申し上げます。

要旨:The display of patterned spontaneous activity is an emergent property of the immature nervous system that is thought to mediate synaptic competition and instruct self-organization in many developing neural circuits. In the visual system, propagating electrical activities in retinal ganglion cells (RGCs), termed 'retinal waves', are thought to play a key role in activity-dependent refinement of topographic neural maps. We performed experiments using a highly novel imaging approach to examine and characterize spontaneous activity throughout the visual neuraxis in neonatal mice in vivo. We found that traveling waves of spontaneous activity occurred in awake, behaving neonatal mice, and examined the spatiotemporal properties of waves throughout the developing visual system during the first two weeks after birth. The visual system likely experiences patterned activation by retinal waves for a substantial gestational period during human fetal development that may be crucial for shaping the functional maturation of neural circuits before the onset of sensory experience.

(2012/9/3掲載)

東大医学部学生・教職員・広く一般に開かれた医学序論連続講座 「医の原点 シリーズⅩⅡ」

日時:2012年10月11日~11月29日 木曜日 16:40-18:10
場所:東京大学医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂
問い合わせ先:東京大学医学部教務係 Tel 03-5841-3308
概要:医学、医療の原点につき、この分野の著名な講師を招いて講義を聞き、医学とは何か、医療とは何か、医師になることはどういうことか、患者と医師の関係はどうあるべきかなどの根元的な問いに対して、自らの体験に根ざして考える機会を得る。その中で自らの将来の医師像を描き、医師あるいは研究者になることの動機を高めることを目標とする。


  • 第1回:10月11日 在宅ホスピスケアと医の原点
  • 講師:川越 厚 クリニック川越 院長
  • 患者の居宅で医療・ケアを提供するのが在宅ケアであり、これは1992年の医療法改正でわが国の医療制度として認知された。 一方、ホスピスケアのホスピスとは古い歴史を持つラテン語で、歴史的に一貫して死ぬ場所を意味している。ホスピスと言う言葉を ベースにしてホスピスケアという新しい言葉を誕生させたのは、シシリー・ソンダースである。
    ソンダースの提唱した“ホスピスケア”は決して新しい概念でなく、むしろ医の原点を見直すきっかけとなった出来事である。 医療とは、患者を苦しめる肉体的、心理的、社会的、文化的、及びスピリチュアルな苦痛を緩和(緩和医療、緩和ケア)し、 一人のトータルな人間として関わり(全人的医療、全人的ケア)を重視する。そもそも緩和ケア、全人的ケアは医の根源として歴史的に 一貫した哲学であり実践である。彼女の行った仕事は、医のルネッサンスと呼ぶのが適切である。
    確かに全人的ケア、緩和ケアは医療の原点であるが、病気からの解放を最大目標とする施設中心の医療では、この当然ともいえるケアを 行うのが難しい。それらが最も要求されるのは現代医療が全く無力となる時、特に死を前にした時である。医療の場としては、 患者・家族の生活の場で提供される在宅ケアの現場である。

  • 第2回:10月18日 がん治療と日本人 -イレッサが教えたもの
  • 講師:萩原 弘一 埼玉医科大学 呼吸器内科 教授
  • がん治療で使用する抗がん剤の至適投与量は西欧人と日本人で異なる。日本人には,西洋人よりやや少量の抗がん剤が使用されることが しばしばである。しかし,量的な違いを除き,有効性,安全性に,人種差は大きくないと考えられてきた。日本人での薬事承認に海外の 臨床試験結果を利用しようとする「ブリッジング」は,この考えの延長上にある。
    しかし,分子標的薬ががん治療に導入され,効果,安全性の民族差が問題になってきた。最も早く臨床導入された非小細胞肺癌の分子標的薬 イレッサ(gefitinib)の歴史は,これを如実に反映している。現在,EGFR遺伝子変異陽性患者に最も有効な薬剤であるイレッサの有効性は, 欧米中心の大規模ランダム化臨床試験で確認できず,海外で治療薬承認が取り消された。日本では,海外で認められなかった薬剤性肺障害による死亡が多発し, その責任を巡って現在も係争中である。イレッサに加え,他の複数の分子標的薬で日本人に高率に薬剤性肺障害が見られる。 その原因は現在でも明らかになっていない。
    イレッサの有効性は,なぜ当初の臨床研究で証明できなかったのか。なぜイレッサの薬剤性肺障害は日本人に高率に起こるのか。 海外の臨床試験の結果を日本人に適用するブリッジングはどこまで可能なのか。これらは今後の日本のがん治療上の大きな問題である。 日本人の遺伝学的特性をふまえ,考えてみたい。

  • 第3回:11月1日 医療安全の面から見たアメリカの医療 :38年の臨床経験から
  • 講師:北濱 昭夫 大船中央病院 病院長
  • 1966年に医学部を卒業するまではボート部に在籍、さて医学の勉強をというときにインターン問題が起こり、自主研修医問題、 東大紛争、紆余曲折の末、渡米したのは1972年であった。外科のレジデントを終え大学で研究と臨床に従事後に米国外科専門医として開業した。 その間、医事紛争にも遭遇、医療経済の変化にも対応してきた。渡米する前は、アメリカの医学教育やレジデント制度を体験し、 良い医者作りのシステムとは何か考えようと思っていたが、医療問題はその様な生易しいものではないことに気づかされた。 100年以上の歴史を持つレジデント制度をもとにした専門医制度と安全な医療を提供する医療施設を作る事を目的としたJCAHOがアメリカ医療の基礎にある。 医者の専門医性と医療施設の標準化は医療の安全性の面から医療過誤対策及び医事紛争の際に問題となる。 医者のみならずナースを始めとするパラメディカルにもその専門性が要求されている。医療過誤問題は世界共通であるが其れへの対応は各国で異なる。 訴訟大国アメリカでの其れは医事紛争の多さとそれにかかる費用が巨額であり医療の内容にまで影響している。 医療費の高騰はアメリカでは大問題である。高齢者医療のためのメディケアが1965年に始まったが高齢者増と新しい医療に対する出費増のために 其れまでの出来高払いから1983年にDRG方式が導入された。病院経営者側はコスト削減の手段の一つとして入院日数を減らした。 その際安全に退院させる戦略が必要になった。高齢者以外の市民は民間の保険に加入していたが保険会社も医療費の高騰で保険料を上げると同時に 其れまでの出来高払いから前払い制のHMOが広まりManaged Careと呼ばれている。HMOで利益を上げるためには出費を抑えることが必須であり、 医療保険会社の医療に対する圧力、統制が始まった。医療提供者側は施設,医師を含めコストを削減しつつ医療の安全に苦慮しなければならなくなった。 現在オバマ大統領の医療政策の行方は不明である。医療の安全の面から38年間のアメリカ医療の経験を述べる。

  • 第4回:11月8日 精神医学の未来
  • 講師:加藤 忠史 理化学研究所 脳科学総合研究センター
               精神疾患動態研究チーム・チームリーダー
  • 現在、精神疾患と呼ばれている疾患には、うつ病、双極性障害、統合失調症などが含まれ、これらはがんや心血管疾患と並ぶ、大きな社会負担となっている。 多くの精神疾患に有効な治療法があるとはいえ、副作用が強く、効果も十分ではない。そして、診断のための確立した検査法がなく、 面接に頼っているために、偏見や誤解の元となっている。今後、血液検査によるスクリーニング、脳画像検査や脳脊髄液検査による確定診断法を開発すると共に、 即効性のある根治的治療法を開発することによって、科学的な精神医学を目指していく必要がある。そのためには、まず、これらの疾患を症候でなく、 病理学的に再定義する必要があるが、精神疾患の神経病理学では、脳のどの部位の、どのような分子の異常なのか、という2点が不明であることが研究を困難にしている。 さらに、精神疾患患者の死後脳がほとんど集積されていないという現状もある。最近のゲノム研究の進展により、統合失調症の危険因子となるコピー数変異が解明されるなど、 研究は進展しつつあり、今こそ、これまでの脳科学研究の蓄積を元に、精神疾患を解明しようという機運が高まっている。 この困難な疾患の解明のためは、精神科医だけでなく、基礎研究者、神経病理学者など、多方面の研究者が結集する必要がある。 何よりも、医師の中から、確立した医療を学び後進に伝えるだけでなく、治療が確立していない疾患の原因を解明し、 診断法・治療法を開発する研究に従事する者が増えることが期待される。

  • 第5回:11月15日 がんと人間と社会
  • 講師:垣添 忠生 公益財団法人日本対がん協会会長、国立がんセンター名誉総長
  • 講演は5つの構成でお話をしたい。
    1)がんとはどういう病気か? 2)がんの予防と検診 3)がんの診断と治療 4)人の多様性 5)わが国のがん対策
    がんは遺伝子の異常が蓄積した結果、発生し進展する細胞の病気である。遺伝子異常を惹き起こす原因としては、たばこ、食事、感染症が重要である。 また、がんは複雑な経過を経て長い時間がかかって発生する慢性病と理解されている。
    1)として、がんとはどういう病気か?から説き起こすのは、それが2)の個人としてがんの予防や検診にどう向かい合うか、 また5)の国のがん対策を考える際の根本となるからである。3)として、がんの診断と治療の具体例を挙げ、QOLや人間の尊厳を考慮しながら、 どんな進歩があったかを紹介したい。4)として「人の多様性」を加えたのは、がんに罹るのは人間だが、がんという病気自体も100種類ほどあり、 人間も一人ひとり実に多様である。この多様性、がんと人間の多彩な組み合わせを考慮しないと、予防も検診も、がん診療も成立しない、ことが理由である。
    以上を踏まえた上で、5)としてわが国のがん対策に触れたい。現在、わが国では、がんの患者さんや家族、がん経験者、あるいは広く市民、 国民のがん医療に対する要望が非常に強まっている。すなわち、地域間格差、医療機関格差、情報格差の解消に向けた要望である。 それを受ける形で、がん対策基本法ができ、この法律に基づき、平成19年からがん対策推進基本計画が進められている。がん患者さん、 あるいはがん経験者は肉体的にも精神的にも、社会的にも大変傷つきやすい存在である。こうしたいわば社会的弱者の発生をできるだけ減らすための予防や、 がん検診の重要性を訴え、加えてがん経験者ががんになる以前と同じような生活を気負うことなく、ごく普通に送れる社会の実現を目指したいものである。 がんは誰の身にも起こりうる問題なのだから。

  • 第6回:11月29日 運動器故障の治癒と医に関わる知識情報の社会への発信
                ウサイン・ボルトと超高齢社会におけるロコモティブシンドローム
  • 講師:中村 耕三 国立障害者リハビリテーションセンター 自立支援局長 東京大学名誉教授
  • ロンドンオリンピックでウサイン・ボルト選手が2大会連続の100m、200mの金メダリストとなり、新たな「伝説」となった。 ボルト選手には脊柱側弯症があり、腰椎の前弯が強く、太ももの後ろの筋肉ハムストリングが故障しやすい。すでに肉離れの痕跡も残っている。 彼はそれを練習で補い、自ら「トレーニングをしないと、故障がふきだしてくる」状態と言っている。この効果は筋力アップと身体の使い方、 つまり代償によるものであって、側弯症が治ったわけではない。彼はトップアスリートであるが、故障、障害を身体の代償で補うことは、 通常生活者での運動器の障害対策の基本も同じである。
    超高齢社会を迎え、運動器障害が中高年以降、顕在化し、これは人の起立、歩行の障害となり、要介護の原因となっている。 高齢化にともなって障害は、重症化、多発化、複合化しており、その対象数も膨大となっている。しかし、この現状は十分には社会に知られていない。
    この新しい事態に多くの人が気付き、対処できるよう、新しい概念ロコモティブシンドローム(ロコモ)を提案した。 ロコモは運動器の障害により要介護となっていたり、そうなるリスクが高くなっていたりする状態を言う。身体の代償を基本とした対策が有効である。 平成25年度からの国の健康政策「健康日本21(第2次)」の数値目標にこのロコモの認知度向上が取り上げられ、その達成が期待されている。
    本講義では、運動器障害の治癒とは何か、そして、公共の財産である医に関わる知識と技術の情報の発信について考えてみたい。

(2012/8/28掲載)

シンポジウム「愛着と喪失 Attachment and Loss をめぐって」

日時:2012年9月8日(土)15:30~17:20
場所:学術総合センター 中会議場3・4 (日本家族看護学会第19回学術集会 第2会場)
主催:こころの発達と障害の教育研究コンソーシアム
    日本家族看護学会
対象:コンソーシアム関係者、学術集会参加者、および一般の研究者
参加費:無料
詳細はこちらをご覧下さい。

(2012/8/28掲載)

第47回東京大学医学教育セミナー

開催日:2012年9月18日(火)
会場:東京大学医学部総合中央館3階 333会議室
テーマ:「地域での多職種間連携教育(IPE)~ごちゃまぜにすると楽しい、地域医療のウラ技~」
講師:吉村学(揖斐郡北西部地域医療センター センター長)
平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
さて、9月18日(火)、第47回東京大学医学教育セミナーを開催いたします。
何卒奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。
詳細は医学教育国際協力研究センターのページをご覧下さい。

(2012/8/21掲載)

東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野「研究倫理集中コース」開催のお知らせ

東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野では、ヒトを対象とする研究全般に関する研究計画書および説明同意文書作成に際し、 研究者に対して倫理的観点から助言を行うことができる人材を育成するための教育プログラムを試験的に実施します。この「研究倫理集中コース」はその基礎的部分です。 本コースは、臨床研究支援や倫理審査の実務に携わる方々を対象に、短期間のうちに研究倫理の基礎と実践を学んでいただくことを目的としています。修了者には修了証書を発行します。
皆様のお申し込みをお待ちしております。

詳細はこちらをご覧ください

(2012/7/25掲載)

高校生のための東京大学オープンキャンパス2012 医学部コース

8月7日(火)に行われるオープンキャンパスにおいて、医学部では次の2コースを実施します。
 ①コース 医   学   科:模擬講義と「健康と医学の博物館」見学
 ②コース 健康総合科学科:模擬講義と「健康と医学の博物館」見学
詳細はこちら[PDF]をご覧下さい。
なお、オープンキャンパスへの参加申込方法については、東京大学ホームページを参照してください。

(2012/7/9掲載)

健康空間情報学講座の研究成果を国際モダンホスピタルショウで公開

東京大学社会連携講座・健康空間情報学は2009年9月以来進めてきた株式会社NTTドコモとのモバイルICTの医療応用分野における共同研究において、4つの大きなテーマが開発から実証研究段階を迎えます。この成果がきたる国際モダンホスピタルショウ2012において主催者企画として実機とともに展示が行われます。

(1)モバイルクラウド12誘導心電図
(2)ICTを利用した2型糖尿病管理システム”DialBetics”
(3)スマートフォンを利用したMobile PHRシステム ”Smart PHR”
(4)携帯電話を用いた個人適応型外来患者案内システム

詳細は以下をご参照ください。モバイルICTの医療応用という新しい分野に対する当講座の取り組みを医療界および一般の方々にも広く知って頂き、実証フィールドを拡大し社会連携をより深化させる機会と考えますので、多くのご来場をお待ち致します。

国際モダンホスピタルショウ2012
日時: 2012年7月18(水)・19(木)・20(金) 10:00-17:00
会場: 東京ビッグサイト (東京・有明) 東展示棟・会議棟
主催: 一般社団法人 日本病院会/一般社団法人 日本経営協会

主催者企画展示「ICTで拓く医療連携の未来」

国際モダンホスピタルショウ http://www.noma.or.jp/hs/2012/index.html

健康空間情報学講座 http://uhi.umin.jp/

(2012/6/29掲載)

最先端研究開発支援プログラム(FIRSTプログラム)
  「未解決のがんと心臓病を撲滅する最適医療開発」 第2回公開シンポジウム

開催日時:2012年6月19日(火)13:30~17:10
場所:東京大学伊藤国際学術研究センター伊藤謝恩ホール

詳細・参加申込みはこちらをご覧下さい。

(2012/6/15掲載)

第45回東京大学医学教育セミナー

開催日:2012年6月13日(水)
今回は1970年代からの日本の医学教育改革に大きな影響を及ぼした重鎮の一人であるArie Rotem先生(ニューサウスウェールズ大名誉教授)の講演です。 歴史的経緯を含めて,WHO西太平洋地域教員研修センター(RTTC)での経験についてお話いただきます。
詳細は医学教育国際協力研究センターのページをご覧下さい。

(2012/5/24掲載)

2012年度 夏期集中 生命・医療倫理学入門コース

本コースは、生命・医療倫理に関心のある社会人や学生の方を対象に、短期間のうちに生命・医療倫理の基礎および倫理委員会の概要を学んでもらうことを目的 としています。 本コース開催中に行なわれる講義および演習へ5割以上出席された方へ修了証を発行します。

詳細はこちらをご覧ください

(2012/5/17掲載)

公開講座「職場のメンタルヘルスの専門家養成プログラム」基礎コース2012の開催について

東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野では、職場のメンタルヘルス専門家を養成するための研修プログラムを2012年9月から公開講座として開講することといたしました。 第Ⅰ期生の募集をこの春から開始いたします。多くの方のご応募をお待ちしております。

詳細はこちらをご覧ください

(2012/5/14掲載)

第3回企画展「見えないがんをみる」スタート

昨今では、日本人の2人に1人は一生のうち一度はがんに罹り、3人に1人の死因はがんです。
がんの治療に先だって、適切な診断が必須であることは言うまでもありません。どこにがんがあるのか、大きさはどの程度か、どのような種類のがんなのか、といった情報が必要です。
健康と医学の博物館の第3回企画展は「見えないがんをみる」と題して、がんの診断にフォーカスをあてます。

詳細は「健康と医学の博物館」のページをご覧ください

(2012/3/23掲載)

GCOEセミナー・神経機能セミナー

演題:Mechanisms balancing plasticity and stability in the developing brain
演者:森下博文 博士、Mount Sinai School of Medicine, New York, USA
日時:2012年4月6日(金) 午後4時~午後5時
場所:東京大学大学院医学系研究科教育研究棟 2階第1セミナー室
問合せ:東京大学大学院医学系研究科 神経機能解明ユニット 河崎洋志
    03-5841-3616 kawasaki@m.u-tokyo.ac.jp
    http://square.umin.ac.jp/top/

森下先生はHarvard大学Takao Hensch研究室から独立された気鋭の若手研究者です。今回、学会への招聘による一時帰国の際にセミナーをして頂けることになりましたので御案内申し上 げます。
(要旨)Our behavior reflects neural circuits sculpted by experience during “critical periods” in postnatal life. Such heightened plasticity declines into adulthood, often limiting recovery of function. On the other hand, the adult brain needs stability. Failed stabilization can disrupt circuit computations by allowing modification by undesirable information, which may lead to mental disorders. How does the brain solve this stability-plasticity dilemma? Our lab is interested in the mechanisms that change the brain’s plasticity across development. Using mouse visual cortex as a model, we recently identified two molecular mechanisms that close the critical period to limit adult plasticity: 1) novel functional mechanism (anti-nicotinic signaling by Lynx1: Morishita et al., Science 2010), and 2) structural mechanism (myelin signaling:unpublished). We will use these molecular brakes as tools to dissect molecular, circuit and systems level pathogenesis of neurodevelopmental disorders including amblyopia (loss of vision) and schizophrenia.

(2012/3/21掲載)

第43回 東京大学医学教育セミナー

開催日:2012年3月14日(水)
平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
さて、3月14日(水)、第43回東京大学医学教育セミナーを開催いたします。
当センター・大西講師が、参加型臨床実習を、組織運営の観点からどのように実現するかについてお話しします。何卒奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。
詳細は医学教育国際協力研究センターのページをご覧下さい。

(2012/3/5掲載)

疾患生命工学センターシンポジウム「発生工学の最先端」Leading Edge of Embryology

[日時]:2012年3月8日(木)13:00-18:00
[場所]:東京大学医学部教育研究棟14階 鉄門記念講堂
  (→ ポスターはこちら)

【Ⅰ】多機能性幹細胞と生殖細胞
・丹羽仁史(理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター)
 「マウスES細胞の多能性を規定する転写因子ネットワーク」
・山田泰広(京都大学・iPS細胞研究所)
 「細胞リプログラミングと発がん」
・篠原隆司(京都大学大学院医学研究科・遺伝医学講座)
 「マウス精子幹細胞の試験管内形質転換系の確立」
・斎藤通紀(京都大学大学院医学研究科・生体構造医学講座)
 「生殖細胞の発生機構とその試験管内再構成」

【Ⅱ】胚操作とクローン
・若山照彦(理化学研究所・発生・再生科学総合研究センター)
 「マイクロマニピュレーターを用いた新たな生殖方法の開発 」
・小倉淳郎(理化学研究所・バイオリソースセンター)
 「体細胞クローン胚に見られるX染色体遺伝子の発現異常について」
・岡部勝(大阪大学・微生物病研究所)
 「マウス・ラットのキメラ動物の作製と応用について」

[Coordinators]:
 饗場 篤
  東京大学大学院医学系研究科疾患生命工学センター 動物資源学部門 教授
 小倉 淳郎
  理化学研究所・バイオリソースセンター 遺伝工学基盤技術室 室長

[参加費]:無料
[定員]: 250名 (※定員になり次第、締め切らせていただきます)
[お問合せ先]:
 Tel: 03-5841-3620
 Fax: 03-5841-3679
 Mail: akane@m.u-tokyo.ac.jp
 URL: http://www.cdbim.m.u-tokyo.ac.jp

(2012/2/15掲載)

第42回 東京大学医学教育セミナー

開催日:2012年2月29日(水)
平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます。
さて、第42回東京大学医学教育セミナーを2月29日に開催いたします。
医療コミュニケーションの専門家・石川ひろの先生に、医療面接の評価・分析についてお話しいただきます。
何卒奮ってご参加賜りますようお願い申し上げます。
詳細は医学教育国際協力研究センターのページをご覧下さい。

(2012/2/7掲載)

GCOEセミナー・神経機能セミナー

演題:多点同時記録法を用いた海馬体の神経回路解析
演者:水関健司博士、ラトガース大学, アメリカ合衆国
日時:2012年1月19日(木) 午後4時~午後5時
場所:東京大学大学院医学系研究科教育研究棟 13階第8セミ ナー室(1305室)
問合せ:東京大学大学院医学系研究科 神経機能解明ユニット 河崎洋志
    03-5841-3616, kawasaki@m.u-tokyo.ac.jp, http://square.umin.ac.jp/top/
    医学部大学院公開科目「疾患のケミカルバイオロジー」セミナーを兼ねています。

水関先生はRutgers大学Buzsaki研究室で海馬情報処理を研究されている若手気鋭の研究者です。
来日の折にセミナーをして頂けることになりましたのでご案内申し上げます。

要旨: 海馬体でみられるシータオシレーションはエピソード記憶に必須であると考えられているが、シータオシレーション中に情報がどのように海馬体で処理、伝達されるのかはよくわかっていない。我々は多点同時記録法を用いて、場所探索課題中のラットの海馬と内嗅領皮質から脳波と多数の神経細胞の発火を同時記録し、活動性の時間的相関を調べた。その結果、解剖学的に単シナプスで結合のある上流と下流の領域間に、フィードフォワード的な活動伝播では説明できない長い発火タイミングの遅延があることが観察された。このことからシータオシレーション中には、海馬体の各領域の発火タイミングは主に領域内の局所的な細胞間相互作用によってコントロールされており、各領域が情報処理の独立性を確保していることが示唆された。
 海馬CA1錐体細胞は一般には均一な集団とみなされることが多い。我々は高空間分解能シリコンプローブを用いることにより、浅層と深層の錐体細胞の活動性を同時記録し、生理学的違いを調べた。その結果、浅層と深層の錐体細胞は発火頻度、バースト、場所細胞、ならびに様々なオシレーションに対する相関の点で、性質が異なっていた。これらのことから海馬CA1細胞層の浅層と深層の錐体細胞は機能的に異なる副層を形成していることが示唆された。

参考文献:
Mizuseki,K., Sirota, A., Pastalkova, E., Buzsa'ki, G. (2009). Theta oscillations provide temporal windows for local circuit computation in the entorhinal-hippocampal loop. Neuron 64, 267-280.
Mizuseki,K., Diba,K., Pastalkova,E., and Buzsa'ki,G. (2011). Hippocampal CA1 pyramidal cells form functionally distinct sublayers. Nat. Neurosci. 14, 1174-1181.
Mizuseki,K., Royer,S., Diba,K., and Buzsa'ki,G. (2012). Activity dynamics and behavioral correlates of CA3 and CA1 hippocampal pyramidal neurons. Hippocampus. (in press).

(2012/1/10掲載)

2012年度Global Health Leadership Program 受講生募集中

東京大学グローバルヘルス・リーダーシップ・プログラム(GHLP)では、2012年度の受講生募集を開始いたしました。
グローバルヘルス領域でのインターンシップ派遣や講義に加え、リーダーシップスキルを高めるためのワークショップなども行っています。 博士課程在学中/ポスドクの方は正規生として、その他の方は聴講生としてご応募いただけます。
皆様からのエントリーを心よりお待ちしております

詳細はGHLPのページをご覧下さい。

(2012/01/04掲載)